軸方向分割型遠心ポンプと半径方向分割型遠心ポンプの違い
2025-10-29 14:00"ラジアル分割"と"軸方向分割"という用語は、遠心ポンプのケーシング設計において根本的に異なる2つの概念を表します。主な違いはケーシングの分割方向にあり、これがメンテナンス手順と圧力処理能力に直接影響を及ぼします。
1. ラジアルスプリットポンプ
構造定義:水平分割ポンプとも呼ばれるこのポンプのケーシングは、ポンプシャフトの中心線を通る水平面に沿って、下部ケーシングと上部カバーの2つの部分に分割されています。これは「分割面」と呼ばれます。
主な特徴と意味:
メンテナンス方法:これが最大の利点です。点検や修理を行う際は、上部カバーのボルトを外して持ち上げるだけで済みます。これにより、ポンプ、吸入・吐出配管(通常は下部に接続)、駆動モーターを動かすことなく、ローター全体(インペラ、シャフト、シール)を露出させることができます。これにより、メンテナンスが大幅に簡素化され、ダウンタイムが短縮されます。
圧力容量:長い水平ガスケットジョイントの存在により、圧力保持能力が制限されます。そのため、ラジアルスプリットポンプは通常、中圧用途向けに設計されます。
主な用途: メンテナンスが容易であることが評価されており、都市給水、発電所冷却水循環、大規模灌漑など、高流量の一般産業サービスに広く使用されています。
2. 軸方向分割ポンプ
構造定義:垂直分割ポンプまたはバレルポンプとも呼ばれるこのポンプのケーシングは、水平分割のない円筒形のバレルです。ケーシングは、中央バレルにボルトで固定された前後のエンドカバーによって密閉されており、分割はシャフトに対して垂直になっています。
主な特徴と意味:
メンテナンス方法:これが主な欠点です。メンテナンスには、配管を外し、駆動モーターを移動させ、非駆動側カバーとベアリングを分解して、ローターアセンブリ全体をバレルから軸方向にスライドさせる必要があります。このプロセスはより複雑で時間がかかり、かなりの軸方向スペースを必要とします。
圧力容量:これが本製品の最大の強みです。円筒形のバレルケーシングは、水平方向の割れ目による弱点がなく、優れた構造的完全性を備えた圧力容器です。高圧および超高圧用途向けに設計されています。
主な用途: 極限の負荷に耐えられるよう選択されており、高圧ボイラー給水ポンプ、石油化学プロセスポンプ、注水ポンプ、原子炉冷却ポンプなどの要求の厳しい用途で使用されます。
基本的な違いの要約
選択は根本的なトレードオフに帰着します。
ラジアル スプリット ポンプは、最終的な圧力容量を犠牲にしてメンテナンスの容易さを優先しているため、汎用の中圧サービスに最適です。
軸方向分割型ポンプは、メンテナンスの容易さを犠牲にして構造強度と高圧性能を優先しているため、過酷な高圧用途には不可欠です。そのため、高圧ボイラー給水ポンプでは、軸方向分割型(バレル型)設計が採用されています。